簡易設計法では設計段階で重心位置を予測することができない。
実際に作ってから、重心位置を合わせるためにオモリを積むことにする。
というわけで、手元にあったスケッチブックでとりあえず作ってみることにする。
まずは画用紙に作図。
こんなスケッチブックから画用紙を一枚ちぎってきて作図。
ボディチューブは高さ㎜×幅18㎜×3.14+10㎜(のりしろ)
細い棒に巻き付けて癖をつけてから両面テープを張る。
18㎜の丸棒(今回は使用済みのロケットエンジンで代用)に巻き付け輪ゴムで仮止め。
両面テープの剥離紙をわきからちょっとずつ剥がしながら丸棒にきっちり巻き付くように張り合わせていく。
ノーズコーンは√(9^2+50.7^2)=50.8を半径とした円弧を描き、中心角 9/50*360=64.8度で切り取る。
のりしろを忘れずに。
これを丸めてのりしろで貼ればノーズコーンの形になる。
はめ合わせのために短いパイプをつけてやれば出来上がり。
ウイングは2枚重ねのものにのりしろをつけた形で一続きに切り抜く。両端と途中のフィンを張り合わせればあとはボディチューブにはめるだけの形に出来上がる。
モーターフックはエレキギターの弦を曲げて作ると軽いものができる。
適当な長さに切った弦を二つ折りに曲げてからモーターの長さに曲げる。
モーターが脱落すると危険飛行ということで失格になるので十分に注意してつくること。
ボディーチューブとノーズコーンが生き別れにならないようにゴムひもで繋ぐ。
今回は紙飛行機用品を販売している「あおぞら」で販売しているゴムカタパルト用を使った。
モデルロケットは回収用にパラシュートかストリーマをつけることになる。
今回は簡単にストリーマを採用。
材質はアルミ蒸着ポリエステル。サバイバルシートとして市販されているものを使った。
これを帯状に切ってアラミド糸に縛り付けたつまようじに張り付ける。
ポリエステルもアラミド糸も比較的熱に強いので、リカバリワディングはなくても大丈夫。
これを蛇腹に折って、糸の端を輪になるように縛れば出来上がり。
この輪を使って糸ゴムに縛り付ける。
いよいよ重心の設定。
まずは、切り抜き法で調べた圧力中心の位置を機体にマーキング。
新しいモーターを取り付けて、ノーズコーンにはラップに包んだ油粘土を押し込む。
見ずらいが、輪ゴムのところから糸でぶら下げて釣り合いが取れている様子。
黒のフェルトペンでつけた圧力中心よりもノーズ側で釣り合いが取れていればひとまずO.K.
これで、ひとまず「圧力中心よりも重心が前にある」という条件を満たしたロケットの出来上がり。
もう一度言うが、これはあくまでも「簡易的な方法」である。
バロウマン法などで計算すると、もっとずっと後ろに圧力中心が見つかることから、切り抜き法は随分安定度が過大になる傾向があると思われる。