日本語のサイトでよく紹介されている厚紙切り抜き法は安定度が過多になる問題を先の投稿で指摘した。そこでもっとモデルロケット向きの圧力中心の求め方ということで主流となるのがバロウマン方程式によるものだ。
先のシンプルロケットを例にするなら,ノーズとフィン,そして全長のサイズが決まれば電卓で計算できるというものだ。
では早速やってみよう。
まず,ノーズコーン要素についてパーツの圧力(C)と圧力中心位置(X)を求める。
ノーズコーンのCは2と決まっているらしく,圧力中心はノーズコーンの形によってきまる。円錐型なら0.666,オジーブ型なら0.466ということだ。これらを掛け合わせると圧力重心位置が求められる。
先のシンプルロケットなら長さ50㎜の円錐形なので
パーツの圧力C=2パーツの圧力中心位置は33.3㎜,圧力容積は66.6となる。
フィンはもうちょっとややこしい。とりあえず,台形のフィン4枚ということで計算。
図中の式に数値を当てはめてそれぞれの値を求める。
横に書くとこんな感じ。Excelなどに入れるのに便利かも。
Cnフィン=(1+Lfs/(Lfs+r))(4n(Lfs/d))^2)/(1+sqrt(1+(2Lfmc/(2Lfmc/(Lfc+Lfr)^2)))
Xcフィン=Xf+Lfsl/3(Lfr+2Lfc)/(Lfr+Lfc)+1/6(Lfr+Lfc)-(Lfr・Lfc)/(Lfr+Lfc))
フィン付け根までの距離17.7㎝フィンの根元・先端・高さそれぞれ2.3㎝や後退幅1㎝、中点長さ2.51㎝などを当てはめるとCnフィン=10.55
Xcフィン=204.7が得られる。
これらを図中の表に当てはめると16.31㎝が得られる。
ロケットのてっぺんから16.31㎝がバロウマン法による圧力中心となる。
なお、バロウマン方程式はもっと複雑な形のロケットにも対応できるようにできていて、ボディの途中で膨らんでいたり、ボートテイルになっていたりしても圧力中心が求められる。細かなところは書籍「手作りロケット入門 モデルロケットの基礎から制s飼うソフト「RockSim」の解説まで」を読んでほしい。