ぼちぼち植松電機スペースプローブコンテストロケット部門用機体のテストに入る。
昨年度とのルールの違いは
1 空中で壊れると失格
2 複数回の打ち上げに耐える(決勝ではC型エンジン?)
ということだ。
40mの高度を目指しながら極力大きな体積を求めるという点は同じ。
そこで目標は「昨年以上の体積で40mに一層近づける」こととする。
より高く打ち上げるには「軽く作る」ことと「空気抵抗を減らす」という方法がある。
主材料は「コピー用紙の厚口」を踏襲する。半年間、様々な材料を検討してきたが、これ以上の材料はいまだ見つかっていない。
これで一層の軽量化をするためには、補強材の一層の最適化と無駄な接着剤の排除である。
もう一つ、空気抵抗の削減のために、今年新たに取り組むのが、下端のボートテール化である。直径90㎜以上の機体の下端が切りっぱなしでは飛翔時に大きな乱流が発生しているであろうことは間違いなさそうだ。ここの空気をスムーズに流してやることは上昇高度に大きく寄与してくれるものと思われる。問題は構造の複雑化に伴う重量増加や組み立て精度の確保の難しさ、強度の確保などである。
OpenRocketによるシミュレートでは、このボートテール化で3mの高度アップが見込まれている。
というわけで、ざっくりと実機を作ってみてテスト。
ノーズコーン長270㎜、ボディチューブ長1000㎜、ボートテール部長120㎜、ボディチューブ径90㎜。
重量は52g(エンジンや高度計を除く)。昨年の似たサイズの機体で62gなので、今回の重量ダウンは主に接着剤の無駄遣いを減らした結果と思われる。
飛ばす前に写真を撮るのを忘れていたので、飛ばした後の写真。
強度テストの一環として組み立てた後に「振り回しテスト」を行っている。
エンジンと同じ直径のパイプを差し込み、そのパイプを持って振り回してみるのだ。「壊れるならここから」ということを想定しておくことは補強の最適化に大いに役立つ。
で、今回は見事に座屈してしまった。
厚口コピー用紙一枚を重ね合わせなしでマスキングテープで接続しただけなので、一番弱いのはわかりきっている。
しかし、あえて今回はこのまま飛ばしてみることにした。
このようなウィークポイント(もともと弱いうえに座屈による折跡がついていてなおかつきれいな円を保っていない)が飛行にどう影響するかは確かめておくと有益だろうと考えたからだ。
というわけで、打ち上げ。
よれよれでも中心が縦に真っすぐ通っていれば真っすぐ打ちあがることが分かった。
獲得高度は178ft(53.4m)(写真はスマホのカメラの絞りの設定がおかしかったらしい)
重量が軽くなったことを差し引いてもボートテールの効果はありそうだ。
問題は着陸。
これまで再利用を前提としていなかったので、パラシュートなどをつけていなかった。
しかし、今回ボディーチューブ上端から着地し、つぶしてしまった。
これでは再打ち上げは不可能。強度的に問題がなくてもノーズコーンをはめることができないのだ。
と、いうわけで、今度はまた一回り大きなものを作ってみようと思う。